天然物化学は

生物が産生する物質を扱う有機化学の一分野である。

主に天然物の単離、構造決定、合成を扱う。

通常は直接生物が産生する物質のみを扱い、石炭や石油のような鉱物的な要素を持つ有機物については天然物化学ではあまり扱わない。

もともと有機化学は生物のみが産生することができるとされていた物質を扱う化学の一分野であったので有機化学=天然物化学であった。

しかし、19世紀前半にフリードリヒ・ヴェーラーやヘルマン・コルベによって生物体内で無くとも有機化合物を合成することが可能であることが示された。

また天然には存在しない有機化合物も合成されるようになり、有機化学は炭素化合物を扱う化学の分野に拡張され、その中の一分野として生物が産生する物質を扱う分野として天然物化学が確立した。

有機化合物が合成できることが明らかになると、生物から得られる高価な染料や医薬、香料といったものを合成により供給するための研究が天然物化学の主要なテーマとして中心行なわれるようになった。
update:2010年03月05日